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2024年8月28日

「農業を続けるために、カフェをオープンしたんです」【松本りんご園/mi cafe】後編

この記事は後編です。前編はこちら⇓
みんなの実家のような場所 カフェのある農園で収穫体験を【松本りんご園/mi cafe】

 

松本りんご園/mi cafe

収穫体験を終えると11時半。

mi cafe外観

mi cafeの入り口
先ホドマデ下ノ畑二居リマシタ。

mi cafeの店内に戻ると、パノラマの景色がお出迎え。

mi cafeから見える盛岡の景色

この大きな窓にスマホをかざして、写真を撮っている方々がたくさんいた。

 

「農業を続けるために、カフェをオープンしたんです」

「ブルーベリーの収穫体験は、前からやっていました。摘み取っていただいたあとに、暑い時期だから冷やしたリンゴジュースを1口サービスしたり、ブリーベリーのジャムを振る舞ったり。

ブルーベリーがない時期にも“ここに来れたらいいのにね”といってくださるお客さまもいました。収穫したものを卸して買ってもらうだけでは、農産物の価値を上げられないとずっと悩んでいて、農業を続けていくためにここにカフェをオープンしたんですお客さまのそんな声が、私たちを後押ししてくれたのもありました。こういう形態で農業をしている方々が、当時岩手にはあまりいなかったので、一筋縄には行かなくて。何度も市に相談して、気がついたら4年が経っていました」。

「今、あそこの道をスピードスプレーヤ(薬剤噴霧機)が通りましたでしょ。向こうの生産者さんの様子も見えるから、mi cafeでお茶を飲んでいたお客さんが“あの車ってなに?”と私に聞いてくれるんです。そこで、どうして農薬が必要とか、農薬をかけないでリンゴを栽培するのがいかに難しいかとか、そういう話をする機会にもつながって。 

販売会とか、そういう場所でもきっとできるかもしれないですが、こんな風に畑の中でそういった話をする、聞くっていうのとはまた感じ方や見え方が違うと思うんですお客さんたちと素直に、スムーズに、農業について話ができるので」。

直子さんの話が身体の中に浸透していく理由は、ここにいるからなのだろうか。

メニューを広げると魅力的なスイーツが目白押しに並ぶ。ここにあるものは、全てストーリーを語れるものだという。目の前で収穫されたブルーベリーが使用されたスイーツは全部で10種類弱。選びきれないので、大人の特権を行使して欲張りに3つ注文することにした。

シフォンケーキのメニュー

シフォンケーキ

シフォンケーキその2

直子さんのご長男の奥さんが経営している「菓子工房Kumarie(クマリエ)」のシフォンケーキ。

「黒川にある松本りんご園」の頭文字をつないで、名付けたという。ブルーベリーは水分が多いため、シフォンケーキにするのは難しいのだとか。ふわふわもちもちで、甘さ控えめ。

ゼリーのメニュー

ゼリー

ゼリーその2

ゼリーの概念が覆るほどむっちりしたゼリー。昨年はグラスに入れて固めただけのものだったが、娘さんのアイデアでブルーベリーを模したデザインにリニューアルすると、瞬く間に人気メニューに。ブルーベリーが丸ごと1粒1粒入っているので、食べ応えあり。一番大きなゼリーの真ん中に入っているのは練乳で、お客様のアイディアを参考に取り入れたという。つけて食べてみると、コクのある味わいに。

スムージーのメニュー

スムージー

冷凍したブルーベリーを150g使用し、牛乳と砂糖のみで作られた贅沢なスムージー。実が細かく撹拌されていないので、ところどころブルーベリーの果実がズズっと入ってくるのも飲みごたえがあって満足度が高い一品だ。

平日の午前中だったにもかかわらず、客足が途絶えないmi cafe。眺めだけでなく、松本りんご園のみなさんの想いに魅せられて、訪れる方々が多いのではないだろうか。

 

【店舗情報】

松本りんご園 mi cafe

住所:岩手県盛岡市黒川4地割3
電話番号:019-696-2531
営業時間:11:00~17:00
ブルーベリー摘み取り体験 毎年6月下旬頃〜7月下旬頃 9時〜12時(予約優先)
定休日:毎週水曜日・第2土日(農作業などの都合により変更あり)
アクセス・駐車場等:駐車場5台
Kumarieのお菓子購入先:mi cafe、フェザン地下1Fわくわく広場、産直花山野(かあさんや)

WebsiteInstagram

 

この記事を取材したライター

松浦 奈々

松浦 奈々

松浦 奈々が書いた記事はこちら

盛岡市在住。青森県八戸市出身。砂利道を運転した母が破水したことにより、1ヶ月早く生まれる。名前の由来はラッキーセブンの7。

好きな食べ物は冷麺。趣味はフィルムカメラ、純喫茶巡り。広告業界の営業を7年したのち、ライターへ転身。青森や岩手など、育った街を中心に活動中。

取材ライティングやフォトエッセイ、コピーライティングなどを担当。人のお話を聴くのが好きで、人オタクだと自負している。

盛岡市在住。青森県八戸市出身。砂利道を運転した母が破水したことにより、1ヶ月早く生まれる。名前の由来はラッキーセブンの7。

好きな食べ物は冷麺。趣味はフィルムカメラ、純喫茶巡り。広告業界の営業を7年したのち、ライターへ転身。青森や岩手など、育った街を中心に活動中。

取材ライティングやフォトエッセイ、コピーライティングなどを担当。人のお話を聴くのが好きで、人オタクだと自負している。

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