6次化に関するご相談
盛岡市役所
食と農の連携推進室
美食王国もりおか担当
電話:019-626-2270
E-Mail:
nosei@city.morioka.iwate.jp
私が2020年9月に安倶里まほら岩手に赴任してきたころは、きのこの栽培に力を入れていたので「きのこ園」というイメージが強かったんです。
薮川は本州で一番寒い場所なので、蕎麦しか育たないと言われていたんですが、何か薮川らしい名物が欲しいなあとずっと考えていました。「ピュアホワイトっていう品種のトウモロコシは寒い北海道でも育つんだからうまくいくんじゃないかなあ」と、種屋さんからご紹介いただいたのが栽培をはじめたきっかけです。
種まきは5月ごろで、8月〜9月の間に収穫します。ピュアホワイトの特長は寒さに強い点と、寒暖差が実を甘くする点。薮川も朝晩で15度以上の気温差があるので、それが美味しさにつながるのはぴったりだと思いました。
わからないことだらけでしたが最初の年は3,000本分ほどの規模で植え始めましたね。でも、いざ収穫してみたら、虫に上の部分だけ食べられたりしたものも多くて…。そうなってしまうと、生のままで出荷ができないので「味に支障がないのに、下の部分がもったいない!」と思ってペーストにしてポタージュにしてみたんです。
加工の段階でも試行錯誤しました。普通にミキサーにかけただけでは粒の皮が残ってしまって、滑らかな舌触りになりませんでした。その後、加工会社に頼んで口当たりを吟味し仕上げています。
1年目に作ったピュアホワイトは「甘さが足りない」とご感想をいただいたこともありました。何か変えなくてはいけないと思い、導入したのが光センサーです。通常は、トウモロコシは外側の皮を剥かず、そのまま出荷するのが大半だと思うんですがまほら岩手では糖度のレベルを統一するために途中まで剥き、センサーで糖度を確認して出荷しています。
トウモロコシの収穫のタイミングはとても難しくて、1日、2日で甘さが大きく変わるので収穫適期の見分けが難しいんです。そして、収穫後は鮮度が落ちるのがとても早い。収穫や加工までのスピード感は大切にしている点ですね。
ピュアホワイトは種まきに参加してくれた子どもたちが植えたんです。
そういう体験ができる場所が減ってきてるので、薮川に来てもらって、種まきの作業を実際にやってもらい、みんなでご飯を食べる。収穫の作業のときにはピュアホワイトをプレゼントする。種まきから収穫までを楽しんでもらいながら、薮川に来るきっかけになったら嬉しいなと感じています。
ピュアホワイトは名前の通り真っ白な実をつけるのが特長のトウモロコシですが、黄色い実をつける品種のほうが多く栽培されています。色の違うトウモロコシの畑が近くにある場合、風が吹いて、黄色い花粉が白について、白い花粉が黄色について…となると、お互いの色が混ざったトウモロコシができてしまい、売り物としては価値が落ちてしまうんです。
まほら岩手のトウモロコシは全部ピュアホワイトです。近隣の農家さんも気を遣って白にしてくれたり(笑)ありがたいですね。
いずれはここだけじゃなくて、薮川地域全体で作られて、「薮川の白いトウモロコシって美味しいよね」というような声が自然と聞こえるようになるといいな、という思いがあります。地域の活性化にも貢献していきたい。
ポタージュの魅力はすぐ飲める手軽さ。若い人たちやお子さんにもぜひ飲んでみていただきたいです。
薮川では本州一の寒さを、逆に魅力と考えて、冬に「氷の世界」というイベントを企画しています。そのときにピュアホワイトのポタージュをウェルカムスープとしてお出ししたいですね。冬にスープを飲んでくれた方が、夏の収穫体験にも興味をもってくださるような、一年間を通した安倶里まほら岩手と薮川の魅力づくりにつなげていきたいです。
スイーツにチャレンジしたいと考えています。試作でソフトクリームを作ったんですがピュアホワイトの良さがまだまだうまく活かしきれず、試行錯誤を繰り返しています。
先日パティシエの方に、焼き菓子に合うのでは?とアドバイスをいただいたのでパウンドケーキなども試してみたい。少しずつやり方を変えながら進んでいきたいですね。
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