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つながり紹介

つながり紹介

〜6次化物語 人とつながることで、新しいことが生まれる。〜
ブラックベリー酢

「ブラックベリー酢」

吉田 聡さん[有限会社 サンファーム]
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浅沼 宏一さん[株式会社 浅沼醤油店]

― このプロジェクトが生まれたきっかけを教えてください。

 

吉田 聡(以下、吉田):知り合いのシェフの方から「酢を海外から取り寄せている」と聞き、サンファームで育てているブラックベリーのような珍しい果物を酢にしたら、シェフやパティシエのみなさんも使いやすい、特別感のある商品ができるのではないかと思ったのがきっかけでした。

浅沼 宏一(以下、浅沼):自分もブラックベリーという果物があることや、盛岡にもあるが生産量は少ないということは知っていました。吉田さんからお話を伺って、売れる商品になるか?というよりも「楽しそうだな!」というのが最初の印象でしたね。

― ブラックベリーってどんな果物なのでしょうか?

吉田:リンゴやさくらんぼと同じバラ属で、トゲがある品種と、トゲがない品種があるのが特徴ですね。収穫時期は、春〜夏、夏〜秋のどちらかの時期に収穫できる「一期成り」と、両方の時期に収穫できる「二期成り」があります。
最初赤くて、熟すと黒くなり、地面に着いたところからどんどん根を張る、強い一面もあります。
生食も可能で、完熟して少し酸味が残るタイプと残らないタイプの二種類があります。
ブラックベリー酢に使用したのは、ほどよい酸味が残るタイプ「トリプルクラウン」です。

ー苦労した点を教えてください。

浅沼:酢は、微生物が発酵するのをとにかく待つ時間が必要です。一つの商品開発にだいたい1年半くらいかかりますね。時間をかけないとうまくいったかどうかわからないというのが、苦労した点でもあり面白かった点でもあります。

 

吉田:トゲが鋭い品種を育てていたときは、作業の時の怪我が絶えませんでした。雨に弱く、完熟した実はそのままにしておくと一日でカビが生えることもあるので、収穫時期は天気予報を気にしながら毎年大忙しです。

—商品開発の醍醐味はどんなところにあるのでしょう?

浅沼:農業と加工業、お互いの守備範囲だけではできないことを掛け合わせる楽しさはありますね。

 

吉田:はい、世の中にまだない商品を作れるかもしれないというのは非常に夢があると思います。サンファームのお客様はシェフやパティシエなど個性豊かな方が多いので、ちょっと変わった商品を喜んでくれることも多いんです。

浅沼:食に携わる者として、「無駄にしない」につながるのも嬉しいです。作物それぞれがもつ特徴を活かす加工法を見つけられれば、消費者のみなさんに美味しく食べてもらうことにつながりますから。

—ブラックベリー酢の特長は?

浅沼:微生物の働きを待つ時間がかかることが苦労する点でもあるんですが、時間をかけるからこその「味の丸み」が感じられますね。酸度が同じでも、短時間で作った酢にはない、角が取れたまろやかな味わいを楽しんでいただきたいです。

 

吉田:家庭用でブラックベリーを栽培している方は県内にもいますが、商業的なものを安定した品質で作っている農家はまだ珍しいと思います。普段、サンファームの果物を使ってくれている方々からも「ブラックベリーの酢は珍しい」と言われます。その希少な魅力を盛岡の方々にも味わってもらえたら嬉しいですね。

 

 

—取り組みの今後の展望を聞かせてください。

吉田:酢ならハスカップも合いそうですし、フランス菓子を作っているお店も多いのでグロゼイユ(赤すぐり)もいいですね。バルサミコ酢のように、熟成させたものも面白いかも。お客様も一緒にワクワクできるようなものを開発していきたいです。

 

浅沼:うちの会社では、一つのタンクの仕込みは10トン。昔ながらの環境で新商品にチャレンジできる環境は珍しいと思います。ブラックベリーのように地域の食材をもっと使って、大手にはないような魅力のある商品をこれからも作っていきたいです。

6次化に関するご相談

盛岡市役所 
食と農の連携推進室
美食王国もりおか担当
電話:019-626-2270
E-Mail:
nosei@city.morioka.iwate.jp

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