前日までの雨が嘘のような晴天に恵まれた10月18日。
”産地をめぐるおいしい盛岡フィールドツアー”へ。
いつもより広めに席の間隔をとったバスに腰掛けます。
最初の目的地は区界高原のもりおか短角牛放牧場です。
区界の道の駅。入り組んだ道で牧場の中までバスが入れないそうで、小型の車両に乗り換えます。
ガタガタした山道、紅葉の中を抜けて車を降りると広い緑の草原に到着です!
靴が汚れないように足にはビニールのカバーを装着して、牧場の道を進みます。夏にも牛たちの様子を見にきたのですが、山の景色が秋になっていて驚きました。
放牧地担当の佐々木さんが、牛たちの生活についてお話してくれました。
「この牧場は248ヘクタールあって、いくつかのエリアに分かれています。牛はそのエリアの草がなくなると次の場所へ、というふうに移動しながら生活しているんです。黒毛和牛ともりおか短角牛で、いるのはほぼ雌の牛。雄の牛は一頭だけです。」
さきほどまで私たちのそばにいた牛たちですが、佐々木さんのお話を聞いている間に森の方へ駆けていってしまいました。のんびりしたイメージがありますが、走ると速くて迫力があります。
参加者のみなさんと一緒に、牛たちの姿を求め探しに行きましょう!
しばらく歩くと、くつろぐ牛の姿を発見したので、ゆっくりと近づいてみます。参加者の中のお子さんが「触ってみてもいいですか?」と管理人さんに聞くと、後ろ足のそばに立たなければ大丈夫、とのお返事。
そーっと触った後に感想を尋ねると「あったかかった…すべすべだった。」と答えてくれました。その子の親御さんとも「いい経験になりましたね。」とお話しながら、再びバスに戻ります。
広がる秋の区界の景色をバックに、写真も撮影しましたよ。「もりおか短角牛はこんなにのびのびした場所で育っているんだね。」と驚く声も参加者の方から聞かれました。
牧草地の奥には兜明神岳がくっきりと見えていましたよ。晴れている日でも、こんなにはっきりと見えるのは珍しいんですって。青空と山々に見送られながら、区界を後にします。
バスに乗り、同乗してくれた佐々木さんが話す、もりおか短角牛についての詳しいお話を聞きながらサンフレッシュ都南へ。
サンフレッシュ都南は秋の味覚、新鮮な旬の食材を買い求めるお客様で賑わっていました。参加者のみなさんも自由にお買い物を楽しんでもらいます。
今日は何を買ったんですか?」ときくと…
見せてくれたのは、見事なシャインマスカット。大きな粒がキラキラ輝いています…!「バーベキューのデザートにしようと思って!」と次の目的地、つどいの森での食事を楽しみにしているご様子でした。他にも、旬のキノコや野菜など産直ならではの買い物をみなさん満喫したようです。
都南つどいの森に向かう途中、右に広がるのはりんご畑です。収穫間近の真っ赤な盛岡りんご、バスの中まで甘酸っぱい香りが届いてきそう。
りんご畑を過ぎ、つどいの森に到着。こちらが今回利用するバーベキューハウスです。都南つどいの森の中には他にも釣り堀やアスレチック、バンガローなどいろいろな施設があります。一日中いても飽きることなく遊べそうですね。
バーベキューハウスの中で、お食事の前にお話をしてくれたのは岩手県木炭協会の阿部さんです。
軽快に進む阿部さんのお話に、みなさん興味津々です。
・岩手は日本一の黒炭の生産地(全国の木炭生産量のうち約30%を生産している)
・炭素成分の多さを示す固定酸素の割合が85〜90%あり、不純物が少ない
・炎や煙が上がりにくいので、食材の味をいかし、美味しく調理できる
など、岩手に住んでいるのに知らないことがもりだくさん、会場にはメモをとる方もあちこちで見られました。
お話のあとはいよいよ炭の燃焼実験です。真ん中が空洞になるように組んで着火すると、一度赤い炎が上がります。
少し時間が経つと、炎は消え、炭の内側が真っ赤になりました。「この着火の速さは岩手木炭の特長の一つです。」と阿部さん。炭素成分の純度が高いので、炭が弾け飛ぶことも少なく安全なのだそう。誇るべき岩手の特産品。これからは岩手の炭をいろんな場面で使いたいと思いました。
炭の燃焼実験のあとは、南大通にある豚汁専門店「とんfe(とんふぇ) 麦多朗(むぎたろう)」の店主大村さんのお話です。とんfeの豚汁のポイントはたっぷりといれた玉ねぎ。野菜からの水分だけで調理するので、水を使わないで仕上げるのだそう。そして、豚肉はなんともりおかあじわい林檎ポーク!
会場には温めている豚汁のいい香り。お腹が空いてきました…。
飲み物もバーベキューのお供に欠かせませんね!
まずは、盛岡市砂子沢で取れたアロニアを使ったアロニアサイダー。アロニアの実はそのまま食べると渋みがあるのですが、サイダーは、サッパリとした飲み口でお料理の味を邪魔しません。小学生のお子さんも「美味しい!」と笑顔で飲んでいました。
もう一つは盛岡の地ビール、ベアレンビールです。 THE DAYのイノベーションレッドラガーと、トラッドゴールドピルスナー、アロマティックセッションラガーの三種類から乾杯用に1つチョイス。盛岡産の食材を使ったバーベキューで、盛岡生まれのビールが味わえるなんて本当に幸せです。
お肉はもちろん、盛岡短角牛。のびのびと育った牛達のお肉は、鮮やかな赤みとちょうどよく入った脂身が美しいです。
もりおかあじわい林檎ポークは、牛肉の赤に比べると優しいピンク色。牛肉とはまた違う美味しさがありますよね。どちらのお肉も食欲をそそります!
乾杯をして、バーベキューの時間がはじまりました。好きな飲み物を飲みながら、お肉や野菜をどんどん焼いていきましょう。
さきほど燃焼実験をした岩手木炭、確かに煙と匂いが少ないので、焼いている間も美味しそうな食材の香りを楽しめます。使ってみると実感できる品質の高さです。
ご一緒のテーブルになったお客様同士、今日の牧場見学のことや盛岡のことなど和気あいあいと食事の時間を楽しんでいる様子でした。
お椀いっぱいに盛られた、とんfeさんの豚汁は、麦ご飯のおにぎりと一緒に参加者の皆さんのテーブルへ届けられました。あつあつで具沢山!冷えた体が温まります。
七味を振ると、風味が変わってまた美味しい。玉ねぎや野菜から出た水分と、豚肉の甘さがなんとも言えません。参加者の方からもお代わりの声が続出しました。
中には、途中で立ち寄ったサンフレッシュ都南で大好きなお酒を買ってきたお客様もいらっしゃいましたよ。
美味しいお酒、盛岡の食材が満載のバーベキューの後は自由時間です。
お腹もいっぱいになりましたし、つどいの森の中にある温泉やアスレチック、散歩コースの散策など思い思いの時間を過ごしましょう!
こちらは「こもれびの宿」にある温泉です。お湯は比較的熱めだったそうで、みなさん「疲れが取れたー!」と満足気なご様子。
大きなアスレチックにはお子さん連れの姿が。小学生でも楽しめるちょうどいい難易度で、子どもたちの歓声が木々の中に響いていました。
バーベキューのあともまだまだ続くお楽しみ。自由時間のあいだに松ぼっくりを集めてもらいます。「こっちにたくさんあるよ!」と、お子さんのワクワクした声。
拾った松ぼっくりを缶に入れて、
アルミホイルで蓋をして、穴を開け、
炭の中にいれて少し待つと…煙がもくもくと上がってきました!
煙の勢いが落ち着いたらアルミホイルを外しましょう。
どうなったでしょうー?
開けてみると…
松ぼっくりがそのままの形で炭になりました。
玄関やリビングに置いても素敵だね、と参加者の方とお話。
秋の思い出がまた一つ増えました。
もうひとつ、炭で甘いデザートも作りましたよ!この真っ赤な紅玉はサンフレッシュ都南で買ったもの。
りんごは一つずつアルミホイルに包んで、
お好みでシナモンや、お砂糖を振りかけ、真っ赤な炭の中へ。
しばらくしてからアルミホイルを開けると、
焼けたりんごの甘い香りがたまりません!
わたしはお砂糖なしで作りましたが、じゅわーっとして箸で切れるほどの柔らかさです。
「おなかいっぱいだと思ったけど、デザートは入るね。」とみなさん笑顔でもぐもぐ。
大満足でつどいの森を出発です。
帰路のバスの中でもみなさんとお話をしながら帰ります。
「お天気がよくてよかったね。」
「歩いた後だったから、バーベキューが余計に美味しかった。」
「盛岡にはおいしいものがたくさんあるんだなっておもうね。」
気持ち良い風の中、緑の中を歩き、牛や木炭、野菜、お肉など盛岡の食の豊かさを存分に味わった秋の一日でした。
(写真・文 LITERS 菅原茉莉)
《参加者のアンケートより》
「とても楽しかったです。また参加したいです。」(同様の感想を多数いただきました)
「区界の放牧を歩いていて、とても空気が新鮮に感じられ来て良かった、と思いました。」
「お肉もおいしかったし、楽しい体験がいっぱいできた。」
◎区界高原の放牧場でのもりおか短角牛見学について
「間近で短角牛を見学でき、詳しい説明もしてくださり良かった。」
「美しい放牧地でのびのび過ごしている様子を見る事が出来て良かったです。」
◎「岩手木炭」の燃焼実験について
「日本一だとは知らなかったけど、貴重な話が聞けて良かった。」
「森林の循環や岩手の隠れた一品を知った。」
◎都南つどいの森でのランチについて
「生産の苦労や、実際の放牧場を知り、見たことで、より一層おいしく頂きました。」
「豚汁がたまねぎいっぱいで食べたことのない味がおいしかった。」