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2023年8月21日

【開催レポート】アロニアと夏いちごでみんなでわいわい食べるデザート作り


講師は、大阪生まれ神戸育ち、盛岡在住の料理家橋本玲奈さん。ごはんの会ではすっかりおなじみですね。今日はホームパーティーや持ち寄りにもぴったりのデザート、よろしくお願いします!

会場の後ろの席では、アロニアと夏いちごの生産者、盛岡アロニア同盟の田村瑠さんと玉山うるおいいちご園の菊池潤さんも見守ってくれていました。「いちごとアロニアがどんなデザートになるのか、楽しみです!」と菊池さん。

まずはお手本をみながらポイントを教わります。玲奈さんの実際の調理を間近でみられる嬉しい時間。ちょっとした動きや、器具の使い方が勉強になりますね。メモをしながら聞いている参加者の方もいらっしゃいました。


①まずはいちごピュレを作ります。密封袋にいちご、砂糖、アロニアパウダーを入れ、手でいちごをつぶします。「ビスケットにも甘味があるので、ソースは少し酸っぱめに仕上げた方が合うと思います。ボールに入れてフォークでつぶしてもいいですが、こうやって袋に入れてお子さんと作業しても楽しいですよね。」


②室温で少し置いたマスカルポーネを練り、卵黄、グラニュー糖を入れて混ぜます。さらに生クリームを少しずつ入れてしっかりめに泡立てていきます。「氷をいれたボウルで冷やしながら空気を含ませてくださいね。」と玲奈さん。

③容器の底にサヴォイアルディ(棒状のビスケット)を並べ、①のピュレを半量かけます。
③のマスカルポーネを重ね、この工程を2回繰り返します。


④アロニアパウダーとグラニュー糖を合わせたものと飾り用のいちごをのせ、冷蔵庫で一晩冷やして落ち着かせます。


玲奈さんのデモンストレーションのあとは各テーブルでの作業です。みなさん手際よく、普段のお料理についても情報交換をしながら、楽しそうに進んでいきました。


「泡立て具合は、このくらいの固さでいですか?」

調理中に気になったことは、テーブルを回ってくれている玲奈さんにその場で確認しながら。一人で作業していると不安な部分も実際にみてもらえるから安心して進められますね。


「家族が誕生日なんです!」という方や「自分のご褒美に少しずつ食べます。」という方。みなさんそれぞれにおうちで今日のティラミスを食べるんだなあと思うとこちらまで嬉しくなりますね。


田村さん、菊池さんも「商品にしたいくらいお気に入りの味。」と大絶賛。


それぞれの調理が終わったところで、玲奈さんが作ってきてくれたティラミスの試食タイム。アロニアの紫色といちごの赤で彩りもきれいで、みているだけで華やかな気持ちになりますね。


サクサクだったサヴォイアルディが1日経つと水分を含んでスポンジ生地のような食感に変わっていて驚きました。「大きい容器に作って、ざっくりとスプーンで取り分けてもいいし、一人分ずつカップに分けて作ってもいいですよ。」と玲奈さん。
前の日に仕込んでおけば、みんなの嬉しい歓声が聞けるデザートになりそうです!


試食のあとは、お隣の部屋に移り、田村さん、菊池さん、玲奈さんのトークのお時間です。

夏いちごとアロニアのティラミス、いかがでしたか?

菊池)夏いちご本来の味を大事にしつつ、プロにこうやって調理してもらえるのはうれしいですね。

橋本)デザート、って考えた時にアロニアは色もきれいだし絶対合うな、と思いました。いちごは時期的にも貴重なんですよね。盛岡の夏でなきゃできないデザートになりました。加熱しないことで、いちご・アロニアの風味も生きるし、暑い日でも火を使わずにできますし。ぜひ作ってみてください。

田村)渋みがあってそのままだと食材としては使いにくいこともあるんだけど、色が強いっていうのは名脇役になれる可能性がある。砂子沢のみなさんにもこのティラミスを食べさせてあげたいです。


今、アロニアはどんな様子でしょう?

田村)砂子沢のアロニアは8月下旬から9月が収穫。いまのアロニアはまだこんな感じです。バラ科なのでおしりのあたりがりんごっぽいのが特徴。
アロニアはまだまだ知られていない食材なので、こうやってみなさんがアロニアを口にして、特徴を知って、広めていただくことが生産者の力になっていきます。


新商品の試食をご用意いただいたんですね!

田村)ドライにしたアロニアをはちみつやナッツといっしょに漬けた商品です。アロニアの渋みが大人な味わいに感じられると思うので、ハード系のパンにチーズなどと合わせて食べてみてほしいですね。


夏いちごはどんな特徴がありますか?

菊池)「とちおとめ」のような冬いちごがメジャーですが、今回食べていただいた夏いちごの「すずあかね」は、果汁が多く酸味もしっかり感じられて、冬いちごとは違ったおいしさがあると思っています。
こうやって、いろんな調理方法で食べてもらえることは生産者冥利に尽きる。夏にいちごを食べられるって全国的にみてもあんまりないんですよ。なので、「盛岡、玉山は夏にいちごが食べられる地域だ」ってもっと知ってほしいです。


何人かでご飯を食べるというようなシーンで玲奈さんが使っている調理器具を持ってきていただきました。どんなふうに使うんでしょう?

橋本)わたしもたくさんパーティするわけじゃないんですけど(笑) 大皿で出す、もしくは調理器具をテーブルに持っていけるのは便利です。オーブンにいれられる耐熱皿、フライパン、蒸籠はお皿がまるごと入るのがいい。お魚一匹蒸して、ねぎのオイルをテーブルでかけたりするとわあっと盛り上がります。


橋本)大勢の料理を作る時は仕込みをして、パーツを作っておくと炒めるだけ、混ぜるだけ、で安心。あと前日に工程を復習しておくといいですよ。


「盛岡の夏でなければできないデザートだった」という3人のお話をきいて、個性豊かな食材がたくさんあることも、生産地と食卓の距離が近く旬のものを旬の時期に味わえることも盛岡という地域は本当に豊かなんだなあと思いました。アロニアも夏いちごも、作って応援、食べて応援していきたいです!

ホームパーティのようなシチュエーションでのお料理って、何作ったらいいのかわからない…と苦手意識がありましたが、玲奈さんの持ってきてくれた調理器具をみていたらみんなで囲むご飯っていいなあ、自分でもやってみたいなと思いました。
生産者さんの声、お料理が楽しくなるようなポイント、参加してくれたみなさんとの交流もふくめてよい時間になりました。また冬にお会いしましょうー!


【材料】800mlのタッパーひとつ分

マスカルポーネ 200g
卵黄 3個
グラニュー糖 40g
生クリーム 100ml
サヴォイアルディ 100gくらい
飾り用いちご 適量

(仕上げ用)
アロニアパウダー 5g
グラニュー糖 20g

写真・文 LITERS 菅原茉莉

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