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2021年7月29日

【開催レポート】産地をめぐり、たのしみ、味わう。食と農を支える人と出会うスイーツピクニック


朝からぱらついていた雨も弱まりました。今日はスイーツピクニック当日。念のための傘を使わずに済むことを祈りつつ、バスに乗車。どんな美味しいものと出会えるのでしょうか…!他の参加者のみなさんのワクワクした様子も伝わってきます、それでは出発ー!


見慣れた国道4号線ですが、バスで通ると旅感が味わえるのが不思議。新鮮な気持ちで外を眺めているうちに最初の目的地のサンファームさんへ到着しました! バスを降りて、畑までは徒歩で移動。「住宅街のすぐそばに、こんなに広々とした畑があるなんてびっくりするね!」と話していた参加者の方もいらっしゃいました。たしかに盛岡らしい景色なのかもしれません。


チラリと顔を覗かせた青空を参加者のみなさんと喜びながらラズベリー畑に到着です。さくらんぼ狩り、と聞いていたのですが、サンファーム吉田さんからの嬉しいサプライズ!なんとラズベリー狩りもできることになりました!嬉しい!


ラズベリー畑の中、まずは吉田さんからのお話です。「畝ごとに種類の違う木が植えてあります。めずらしい黄色や黒色のラズベリーもありますし、自由に歩きながらそれぞれの味の違いを楽しんでください!」


摘み取り用のパックを一つ、片手に持ちながらラズベリーの間を歩きます。「つまんで食べてもいいですよ」と吉田さんから声をかけていただき、摘みながらラズベリーをパクリ。甘酸っぱいプチプチとした食感、キュッとした酸味も美味しい!
参加者のお一人は、「ラズベリーは好きでよく買うんだけれど、国産のものってほとんど出回っていなくて…。こんなにきれいで美味しいラズベリーは初めて。ますます好きになりました!」とお話されていました。


こちらは親子でご参加の男の子。お母さんが大急ぎで摘むよりも速く、お隣でぱくぱく頬張っていました(笑)ほっぺがリスみたいに膨らんでいてとっても可愛らしかったです!


ラズベリーを詰めたパックを持って、次はさくらんぼの畑へ。
「今年のさくらんぼは、正直に言って不作。4月に気温が低い日や降霜があったり、花が咲く時期に天候が悪い日が続いてしまい、受粉の進みもよくなかったんです」と吉田さん。今回のツアーのために4本だけさくらんぼの木を残しておいてくださったのだそうです。自然を相手にする農業という仕事の厳しさを感じます。大切に収穫して美味しく頂かなくては…!


「さくらんぼの軸は、下に引っ張らないで横に力を入れて収穫してくださいね。芽を傷つけてしまうと、来年影響が出てしまうのでやさしくおねがいします」とスタッフの方のお話。確かに、さくらんぼの軸の根元をよく見ると、小さな小さな芽が出ています。これが来年さくらんぼに育つ芽なのだそう。十分に気をつけながらさくらんぼ狩りスタートです!


最初の一粒目を口に入れた参加者の方の「おいしい!!!」「あまい!!」という大きな声が畑のあちこちから聞こえました。高いところにあるさくらんぼは脚立に乗って収穫。


ラズベリーと一緒に詰めていきます。どの方を見てもパックはぎゅうぎゅう!(笑)収穫したばかりのさくらんぼはみずみずしくていくらでも食べられるおいしさ。ラズベリーと同じようにいろいろな品種の木があったので、それぞれに個性豊かなさくらんぼを味わいながら、今年は特に貴重なさくらんぼ狩りをたっぷりと楽しみました! 


収穫作業のあとは、さくらんぼとラズベリーを使ったタルト作りです。準備を進めているのは緑ヶ丘のパティスリー、「ブールドネージュ」の菅原パティシエ。こちらのお店のシュークリームも絶品で私も大好物なんです。


テーブルの上には菅原パティシエが事前に作っていたお手本のタルトが…。果たしてこんなふうにできるのでしょうか、彩りも美しく本当に美味しそう!


タルト台はこちら。さくらんぼ畑の中に香ばしいお菓子屋さんの香りが広がります。


4つのテーブルにわかれ、先ほど収穫したさくらんぼとラズベリー、そしてパティシエが用意してくれていた他の種類のベリーも一緒にタルト台に飾っていきます。いざタルトを前にすると、バランスもボリュームも難しい…。私も思わず「ちゃんとできるかな…」と呟いてしまいました(涙)他の参加者のみなさんも真剣。


「ブルーベリーが大好きなの!」とお母さんとお話しながら、お皿からはみ出るほどのベリーをのせていく男の子の姿も発見。


お皿の上がどんどん華やかに…! 一皿一皿、参加者のみなさんの個性が光ります。


タルト作りが終わったら、いよいよ実食です!さくらんぼの木の下で、いただきますー!


タルトの生地をよく見てみると、赤紫色のハスカップとルバーブが入っていました。ハスカップはビタミンEやビタミンCを豊富に含んでいるそうで、サクサクした食感のタルト生地にちょうどよいアクセント!こちらもサンファームさんで栽培されているのだそうです。
少し甘めのカスタードと一緒に食べると、酸味のあるベリーまでもっと美味しくなるような気がしました。


タルトを堪能したところで、ブールドネージュの菅原さんのお話をききました。「岩手、盛岡の食材の豊かさは素晴らしいです。その季節ごとの新鮮な食材を手に入れることができる盛岡だからこその美味しさを、スイーツにも生かしていきたい」と菅原さん。


お話をききながら、サンファームさんが用意してくれたのは3種類のリンゴジュースもいただきます。


菅原さんに続いて、サンファームの吉田さんからも再びお話を伺います。さくらんぼ栽培の厳しさ、世界や日本、岩手の農業の状況のことなどを真剣に語ってくださる姿に聞き入ってしまいました。


お話のあとにはまたご褒美が…!一般に販売していない、お店向けの2種の煮りんご。これが不思議でクセになる食感でした、コンポートの柔らかさと生のサクサクした食感、どちらも残っているんです。「リンゴでお腹っぱい!お昼ご飯はいるかな」というお話も聞こえてくるくらい、タルト、ジュース、コンポートと盛りだくさんのサンファームさんでのタルト作りでした。


サンファームさんを出て向かったのは都南にあるふれあいランド岩手です。今日はこちらが昼食の会場になっているのです。
楽しみにしていたお昼ご飯は、盛岡を中心に出張・ケータリング専門で活動されているacco bentoさん。華やかで一手間ふた手間かけた食材がギュッと詰まったacco bentoさんのお弁当はイベントなどでも大人気!いつか食べてみたかったのです。


今日のお弁当はこちら。参加者のみなさんが昼食の前にタルトを食べることも考えてくださって、ご飯のボリュームは控えめにしてくださったのだそう、気遣いがうれしいですね。胡麻塩を振った銀河のしずく、人参のきんぴらや夏野菜の漬物など盛岡産の食材がふんだんに使われているお弁当は、おかずひとつひとつ、丁寧に作られているのが伝わってきます。滋味深く、元気をもらえる味でした!


ふれあいランド岩手での昼食休憩を終えて、再びバスに乗り込みます。お腹いっぱいで少しうとうとしながら向かったのは盛岡市中心部から20分ほどの場所にある砂子沢(いさござわ)地区です。砂子沢は盛岡産食材アロニアの生産地。アロニアは美しい紫色の小さな果実で見た目はブルーベリーにそっくりで、目に関する機能改善に効果があると言われているポリフェノールの一種、「アントシアニン」の含有量がブルーベリーの2〜3倍あることなどから、近年注目されているフルーツなんです。


到着すると砂子沢アロニア生産組合のみなさんがお出迎えしてくださいました。
「アロニアにはまだまだ可能性がある、これからいろいろな商品開発をすすめて、アロニアと砂子沢を盛り上げていきたい」と、私たちにお話してくださったのは、盛岡アロニア同盟を立ち上げた田村さん。


アロニアについて教えてもらったあとは、実際に畑の見学に出発。すぐそばにある川や滝からは、BGMのような水音がしていて、足取りも自然と軽やかに。


こちらが7月現在のアロニアの様子。小さいリンゴのような実がついています。


こちらは昨年収穫した完熟のアロニアを冷凍しておいたもの。冷たさのせいか、生に比べると渋みはそれほど感じませんでした。参加者の方の中には「渋い感じが食べてて楽しい」という声も。


次にお話いただいたのはリマテック東北の千葉さん。千葉さんは「もったいない」をキーワードに岩手で商品開発に取り組んでいらっしゃるのだそう。


リマテック東北さんが開発した商品、アロニアの搾りかすを使ったルームスプレー。マスクにシュッと一拭きすると、ハーブのほどよい香りで気分もすっきり。涼しげで爽快感を感じられました。その場で購入する参加者の方もいらっしゃいました!


アロニア畑の前での一枚。


畑からの帰り道。

アロニアという果物がこれからどんなふうに私たちの生活の中に溶け込んでくるのか楽しみになるような、砂子沢での時間でした。ここにくると時間がゆったりと流れるような気がするのは私だけでしょうか…。またプライベートでものんびりお散歩にきたいと思う場所でした。


砂子沢を出発し、バスは最後の目的地、鉈屋町にある「もりおか町家物語館」に到着です。こちらでは上野法律ビジネス専門学校の学生さんおふたりが学校での取組について教えてくれました。昨年からはイベントなどのお手伝いも継続して行いながら
実際に生産現場に出向いているのだそう。課題だと感じたことに対して、自分たちで考えアクションを起こす姿勢、素晴らしいなと思いました。これからますます頑張って欲しいです!


大正蔵の中にある雫石の人気店「松ぼっくり」のジェラートは、味のラインナップの中になんとアロニア味があるんです!こちらは鉈屋町限定。きれいな紫色はまさにアロニア色ですね!


個人的にはトマト味も気になりました…!雫石の本店まで行かずに、盛岡市内で「松ぼっくり」の味が楽しめるのはとても嬉しいです。


青空の下、ベンチに腰掛けて食べるジェラートも格別!


こちらは清水町にあるワッフル専門店「Waffle Ms」さんと上野法律ビジネス専門学校のみなさんが作った「アロニアチーズ味」のワッフル。お土産でいただきました。ふわっと柔らかな生地の中にクリーム。ところどころにあるアロニアジャムの色味がいいですね。盛岡らしいデザート、ごちそうさまでした!

帰りのバスの中では「盛岡って食材に恵まれた場所なんだなって改めて思いました」「タルト作りが楽しかった!パティシエの作ったタルト台に自分で摘んだ果物をのせるなんて贅沢!」「砂子沢の空気は気持ちよかった、プライベートでもまた行きたい」などなど、参加者のみなさんの嬉しい声がたくさん聞こえました。

お天気にも恵まれた一日。
ベリー、さくらんぼ、アロニアの生産者のみなさんの想いと、上野法律ビジネス専門学校、盛岡アロニア同盟、リマテック東北など、作物の長所を生かし、商品を通してその良さを伝えていく人がいるんだと感じられた今回のツアー。課題点、問題点も共有しながら、これからも盛岡の美味しさを味わい、消費者として支えていきたいなと感じたバスツアーでした。

(写真・文 LITERS 菅原茉莉)

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